授業・レッスン
専攻実技
音楽の早期専門教育を主眼とする本校では、作曲、ピアノ、弦・打楽器、邦楽のそれぞれの専門実技がやはり重要な位置を占めています。毎週1時間、それぞれの実技教員によって、高度な内容の個人レッスンが行われています。教員は、主として芸大の教員が兼務する形をとり、大学との一貫教育が考慮されています。
毎年6月には、3年生の公開実技試験が行われ、専門実技教育の成果を内外に発表し、注目を集めています。
副科声楽・副科ピアノ・副科打楽器
副科の授業では、ピアノ専攻生は副科声楽が、ピアノ専攻以外の洋楽専攻生は副科ピアノが必修になっています。また邦楽専攻生の副科ピアノは希望制になっています。その他、希望者にはさらに2年次から2年間、副科声楽、または副科打楽器のいずれかが選択できるようになっています。
オーケストラ・室内楽・合唱・ピアノ初見アンサンブル
本校では、週に2~3時間、作曲・ピアノ・邦楽専攻の生徒は合唱の授業を受け、弦・管打楽器専攻の生徒はオーケストラの授業を受けるように、専攻毎に分かれた授業を行っています。
その授業では、毎年秋に行われる定期演奏会のプログラムや入学式、卒業式の奏楽の曲目が練習曲目となっています。古典から近代に至るまで、演奏される曲目はさまざまですが、そのうちの一曲は、合唱とオーケストラの曲を取り上げ、定期演奏会では全校生徒によって演奏されます。また、邦楽のプログラムもその中に含まれ、日々の勉強の成果を披露するよい機会となっています。
その他では、弦楽器、管楽器、打楽器、邦楽とにそれぞれ分かれての室内楽の授業や、作曲・ピアノ専攻の生徒のための二台ピアノや連弾等のアンサンブル、ピアノ初見の授業、邦楽専攻の生徒のための楽典の授業も組まれています。
芸大管打楽器の室内楽授業への参加
平成25年度より、芸大管打部会のご好意により、学部一年生の木管・金管合奏と管打合奏の授業に、芸高生のフルート以外の管楽器の生徒が参加できることになりました。
これは、芸高で管楽器、特に金管の生徒の人数が少なく、なかなか室内楽を組むことが難しく苦慮していたことに対して、大学側より寛大なるご配慮をいただいて実現したものです。大学生の授業に、高校生が参加できるというまさに画期的なことが実現しました。
具体的には、大学の月曜日3限(13:00~14:30)の金管合奏の授業に、芸高の金管の生徒が、大学の月曜日4限(14:40~16:10)の管打合奏の授業に、芸高のフルート以外の管の生徒全員が参加します。
この大学の授業参加については、芸高の室内楽の授業として単位を認定し、出席も取っています。
音楽関連科目
実技科目以外の音楽関連科目としては、音楽史、音楽理論、演奏法、ソルフェージュ等の授業があります。音楽史においては、演奏曲目や作曲家の歴史的な背景や音楽史的位置づけを学び、さらに音楽理論では、定期演奏会等の演奏曲目も教材として用いながらその曲の成り立ちや構成、和声分析等について学びます。また、邦楽専攻の生徒は日本音楽史、日本音楽理論を学びます。演奏法は、理論と実際の演奏を結びつける役割の科目で、旋律法や音律、フレージングやアーティキュレーション、リズム等を学習します。ソルフェージュでは、視唱、リズム、読譜、聴音の各分野にわたって音楽の基礎を学んでいきますが、専攻実技に活かされるソルフェージュをめざしています。
このように、音楽を多角的な方面から学びを深め、総合的に楽曲をとらえた上で実際の演奏に生かしていくというのが、本校の音楽教育の大きなねらいです。
一般教科
本校では、専攻領域のみにかたよらない、幅広い教養と見識とを兼ね備えた、人間的で魅力あふれる音楽家の育成を目指しています。そのために、一般教科においても幅広く総合的に学習できるように教育課程が編成されています。
養護
本校には親元を離れて一人で生活をしている生徒が少なくありません。そうした生徒たちも含めて、養護担当の教員は生徒の心と体の健康を、親身になって支援しています。